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「みどり香るまちづくり」企画コンテスト

「みどり香るまち」通信 vol.32

平成24年度 入賞(震災復興特別賞)

津波地域最前線に癒し空間を 〜全壊被災校プロデュースによる共栄自立への道〜

企画者:宮城県農業高等学校科学部/名取市小塚原地区/名取市小塚原南地区/名取市杉ケ袋南地区/亘理町/亘理町荒浜5丁目婦人の会/大河原町さくらの会
企画場所:宮城県名取市・宮城県亘理郡亘理町

神社の役員と科学部の生徒が中心となり、鎮魂の桜として植え付けが行われた。 神社の役員と科学部の生徒が中心となり、鎮魂の桜として植え付けが行われた

 東日本大震災での津波によって全壊となった宮城県農業高等学校(宮農)が、なにもかもなくなってしまった土地に、勇気と感動を与えてくれる桜を中心とした「希望の花」を、地域の人たちとともに植えていこう、と始まった企画です。

復興のシンボルとして集会所に植えられた桜。周りの花は除塩、育成を目的とする宮農式植栽法の一つを成すハマダイコンという野生のダイコン。 復興のシンボルとして集会所に植えられた桜。周りの花は除塩、育成を目的とする宮農式植栽法の一つを成すハマダイコンという野生のダイコン

 震災からおよそ1年後に桜の植え付けが始まりましたが、津波による塩害、さらには潮風害によって枯れてしまうものも多く、なかなかうまく育ちませんでした。それでも植え付け方法や管理方法を、農業高校ならではの研究によって確立し、塩害に強いハマナスやバラを加えながら、地域の公園や私有地に植え付けが続けられています。植え付ける周辺の土壌改良や、土壌の乾燥が植物に影響を及ぼさないためにビニールで被覆する、ネットで囲み潮風を防ぐなどの方法は、地域で実践するだけでなく、悪条件下で植物を育て管理する「宮農式植栽法」として、広くプロデュースも行っています。

私有地に植栽し3年目を迎えた自慢のバラ。 私有地に植栽し3年目を迎えた自慢のバラ

 津波被害地域に、希望と癒やしをもたらす香り樹木の植え付けは毎年続けられ、昨年も約200本の桜やハマナスを植えました。今年3月にも、地域の人たちと協力して、多くの場所に植え付けを行う予定です。

(宮農復興桜事務局・科学部顧問 尾形 政幸さん)