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「みどり香るまちづくり」企画コンテスト

「みどり香るまち」通信 vol.16

平成21年度 日本アロマ環境協会賞

かほり絆(つな)ぐまちづくり

企画者:奥能登すず地区活性化委員会/有限会社エステル
企画場所:石川県珠洲市

私有地に植栽し3年目を迎えた自慢のバラ。 私有地に植栽し3年目を迎えた自慢のバラ

 石川県能登半島の先端に位置する珠洲市(すずし)のシンボル花は椿。椿、百合が自生しているこの地域で、この花たちを活かしたまちづくりができないか、検討されて生まれたのが今回の企画です。この企画は、もとハーブファームだった遊休地に椿、ササユリ、カサブランカなどを植え、育ったあかつきには地元で椿や百合を利用した商品をつくったり、観光で来訪できる場所にしたりして地域の活性化につなげるという、“みどり(椿)”と“かほり(百合)”で人々が支え合うコミュニティをつくることを目指した企画です。

 受賞企画について㈲エステルの中出喜美子さんに現在までの状況をお伺いしました。「昨年の冬は雪が多かったので、植樹した椿などが倒れないよう添え木をしたりと越冬するのに苦心しました。現在は無事根づき、日に日に生長していく様を見せてくれています。まだ若木なのに蕾をつけた木もあって驚きましたが、今回は木々の今後の生長のために蕾は剪定しました。また、球根も冬の間は温室で大切に増やしました。今は植物たちを元気に育てるための準備に大忙しです。今後は案内板などを設けて、ゆくゆくは椿園として一般の方にも訪れていただけるようにできたらと考えています。」とご報告いただきました。

植樹地周辺に広がる風景(写真提供:足袋抜豪氏) 植樹地周辺に広がる風景(写真提供:足袋抜豪氏)

 珠洲市のある能登半島は、世界農業遺産※に認定された土地でもあります。神子原米や能登野菜などの農産物をはじめ、千枚田や珠洲焼、輪島塗、揚げ浜式での塩づくりや各地に伝わる文化・祭礼など、何世紀も前から豊かな自然とともに伝統的なものたちがたくさん伝わっています。中出さんからは、「珠洲市にいらっしゃるときは、世界農業遺産に認定された、人と自然が共生する豊かな里地里山、日本の原風景を楽しみに、そして体験しにいらしてください。また、そんな能登の土地では若い方々が農業を継いでいます。今回の植樹から育成については、そんな30代農業家の方々に大変ご協力をいただいています。土づくりから無農薬で栽培する彼らの農作物にもぜひ注目してください」とまちをPRしていただきました。

 今回の取材では、地元の大切な自然をまちの発展に活かしていこうという企画を、地域の方たちの力と絆で、着実に実現されている様子がうかがえました。日本の原風景を見つけに椿の花の咲く頃、訪れてみてはいかがでしょうか。(事務局)

世界農業遺産

伝統農業や文化や景観、生物多様性に富んだ世界的に重要な地域の保全を目的として、2002年に国連食糧農業機関(FAO)で設立されたもので、能登半島の4市4町は2011年6月に日本で初となる世界農業遺産の地に佐渡島とともに認定されました。

アクセス

植樹地 旧唐笠ファーム:能登空港より車で約60分。