アロマテラピー検定・資格の認定、学術調査研究の実施

「みどり香るまちづくり」企画コンテスト

「みどり香るまち」通信 vol.13

平成21年度 におい・かおり環境協会賞

お茶香る「いい感じの里山づくり」

企画者:シーアイタウン利府葉山株式会社/葉山町内会/葉山子ども会/宮城県利府町/鹿島建設株式会社東北支店
企画場所:宮城県利府町

住民総出で植樹を行いました 住民総出で植樹を行いました

 宮城県利府町葉山は、日本三景のひとつ松島にほど近く、番が森の麓に位置する住宅地です。住民のコミュニケーションの場となるようにと、5年前に街の中心の緑地に植樹を行いましたが、地下水と土壌の影響で樹木の成長が思わしくありませんでした。そこで、街の住民、事業者、行政が協力し合い、緑地の再生にチャレンジしたのが、今回の受賞企画です。

緑地の中心にはたくさんのお茶の木を植えます (写真提供:シーアイタウン利府葉山株式会社) 緑地の中心にはたくさんのお茶の木を植えます (写真提供:シーアイタウン利府葉山株式会社)

 自治体にとって、緑化事業は維持管理に経費がかかり、取り組みたくてもなかなか難しいのが現状だそうです。シーアイタウン利府葉山株式会社代表取締役常務の梅澤均さんは、「利府町にとっても、緑化事業は経費の面で重荷だったそうですが、今回の応募はシーアイタウンと住民からの自主的な動きで、住民も維持管理に積極的に関わったことで自治体の負担も少なく、いいテストケースになったようです」とおっしゃっています。企画には、地域に伝わる歴史や環境、五感に伝わる香りなどを盛り込み、地域の子どもたちが楽しみながら植物に触れられる工夫が凝らされています。

 また梅澤さんによると、企画者である住民自身にも変化があったそうです。「この企画の実現を通して、住民たちの中に、住環境に対する新しい価値観が生まれてきています。現代社会においては、どうしても利便性やお金が優先されがちですが、緑にあふれた心地よい環境で毎日の生活を送るということの大切さへの気づきが広がっています。例えば、住宅地版グッドデザイン賞のようなものができて、頑張っている地方の街がきちんと評価され価値が高まることで、地方の活性化にもつながるのではとも考えています」と梅澤さんはおっしゃっています。

 このインタビューを通して、梅澤さんが口にされていた「CO2 削減よりもO2 の増産」というフレーズが印象的でした。例えば街の緑化のような「O2 の増産」に取り組むことで、街も美しく豊かになり、結果的にCO2 の削減にもつながります。
ポジティブなCO2 削減を、身近な環境から始めてみようと思いました。(事務局)

アクセス

シーアイタウン利府葉山:JR 利府駅よりバスで約15 分。
三陸自動車道「松島海岸IC」より車で約1 分(松島進入路入り口まで)