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イベントレポート

2017/10/02

第24回専門セミナー「和の植物とその香りの魅力に迫る」

【東京】

日時:2017 年9月3 日(日)13:00~16:15

場所:よみうりホール(東京都千代田区)

参加者:200名

【大阪】

日時:2017年9月10日(日)13:00~16:15

場所:大阪国際会議場(大阪府大阪市)

参加者:138名 

 

講演① 芳香資源植物としての柑橘の特性と利用

講師 沢村正義氏

高知大学名誉教授・農学博士。専門分野は食品科学、フレーバー化学。柑橘精油やフレーバーなどの研究論文は170余編。

 

日本を代表するカンキツのユズは、奈良時代前後に中国から日本に入ってきたと考えられています。現在は四国がユズの主産地になっていますが、昭和40年代前半までは埼玉県や群馬県などが主産地でした。

ユズはその多くが食品として利用されており、以前は果実、果皮、果汁が食品として利用された後の残渣は廃棄されていましたが、現在では、搾汁後残渣の果皮から精油が採取され、種子からも種子油が搾油されており植物資源を余すことなく利用しています。そして精油採取後の果皮残渣も堆肥化されて土に還り、精油蒸留時の排水も微生物を利用した排水処理システムにより浄水化して自然に還すというエココンシャスな生産サイクルが成り立っています。

ユズ精油についても研究が進められており、ユズ湯の保温効果、うつ未病期のメンタルケア効果などが確認されています。またカンキツ精油に含まれるベルガプテン量を調査し、安全な利用も推進されています。

昨今ユズの香りは、海外のレストランや飲料メーカー、香料会社などからも注目されおり、ヨーロッパや中国でもユズの栽培が広がりつつあります。今後ますます、日本から世界に向けて発信できる素材のひとつとして期待されています。


セミナー② ヒトの健康と社会の健康をめざして ~国産精油の開発と可能性~

講師 林 眞一郎氏

薬剤師・臨床検査技師。グリーンフラスコ代表取締役。 東邦大学薬学部客員講師、日本赤十字看護大学大学院非常勤講師。 

 

国産精油の歴史を見ると、樟脳は1910年代に5000~7000トンが生産され世界に輸出されていました。和薄荷も1930年代には世界の生産量の7割を占めており、精油産業が盛んな時代もありました。

精油がヒトの健康(身体・心・スピリット)に影響を与えるのは言うまでもありませんが、私たちを取り巻く環境(自然・社会)の健康にもつながらないと本当の意味でヒトの健康に役立つものにはならない思います。そのためには、①トレーサビリティー、②エコロジー、③フェアトレードの3つの視点が重要であると考えます。

ヒノキ風呂に入ってリラックスしたという経験があると思いますが、ヒノキ精油の抗ストレス作用が研究で確認されています。また、ヒバ精油の抗菌作用、ショウガ精油の消炎作用など、ほかの国産精油の研究も進められており、精油の作用やメカニズムが解明されつつあります。

今後、国産精油はメンタルヘルス、介護、老年病領域、緩和ケアなど日本が抱える諸問題に対して活用が期待されています。


<国産精油展示>

全国の精油生産者の方々にご協力をいただき、29社の国産精油を展示しました。


【参加者の声】

・身近な植物の話で興味深く聞くことができました。

・植物の文化的な話や植生、科学的知見まで幅広いお話が聞けて大満足でした。

・国産精油についてもっと勉強したくなりました。

・実用的な内容で良かったです。国産精油を使ってみようと思います。