会員専用ページ

アロマの研究・調査

精神神経系|Mental

精油が脳機能に与える影響と濃度

精油は適度な香りによって心地よく感じたり、香りが強すぎて気分が悪くなったり、濃度によって大きく印象が変わります。精油の希釈濃度の違いで、香りの作用に差異が出るか、「脳機能に対する影響」という側面から行われた研究データをご紹介します。
今回使用されたのはラベンダー精油。ラベンダー精油は古くから殺菌や消毒などに利用されてきましたが、最近では、鎮静、ストレス抑制、睡眠促進作用など、多彩な有効性が客観的に明らかになりつつあります。実験の結果、ラベンダーの香りを程よく感じることによって脳機能を活性化する効果が期待でき、作業効率や集中力の向上にも有用と考えられます。

P300とは2タイプの刺激をランダムに提示し、たまにしか起こらない刺激に注意するときに現れる脳波の形です。
刺激が起こってからP300の脳波が現れるまでの時間(潜時)が短いと情報処理の速度が速く、P300の波形(振幅)が大きいほど刺激に集中し、情報処理能力が高いといえます。

ラベンダー精油の濃度による「潜時」の差異

0.1%に希釈した精油は、精油0%の無香対照よりも潜時が短く、処理速度が速くなったと考えられます。
1%および10%の精油では、無香対照との有意差はみられていません。

ラベンダー精油の濃度による「潜時」の差異

ラベンダー精油の濃度による「振幅」の差異

1%に希釈した精油は、精油0%の無香対照よりも振幅が大きく、集中力が高まったと考えられます。
0.1%精油の場合も無香対照よりも振幅が大きい傾向がみられましたが、10%の精油では無香対照との有意差はみられていません。

ラベンダー精油の濃度による「振幅」の差異

鎮静作用が注目されるラベンダーですが、この研究から低濃度では情報処理機能を高める作用も期待できることがわかりました。

原著論文「ラベンダー精油が脳機能に与える影響の濃度による差異の検討.小長井ちづる、古賀良彦.アロマテラピー学雑誌、Vol.8, 9-14, 2008」