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精油と手指消毒剤の清浄・保湿力の比較

日々の生活に欠かせないものとなった手指の消毒剤。アルコールが繰り返し手に触れることにより、肌荒れが気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、植物油で希釈したブレンド精油とアルコール消毒剤の清浄・保湿作用を比較した実験を紹介します。

実験方法

対象 大学生の男女29人
精油 ラベンダーとティートリーのブレンド精油(1:1)
対照 市販のアルコール性擦式消毒剤
方法 精油群は植物油で1%に希釈したブレンド精油、対照群はアルコール消毒剤をそれぞれ両手の手のひら、手の甲、手首に約15秒間すり込む
測定項目 すり込み前後の右手のATP値※、角質水分量を測定
  • ※ATP:生物由来の汚れや微生物等に含まれる物質で、今回はATP値(単位:RLU)を汚れ具合の指標とした

実験結果

精油、アルコール消毒剤ともに使用前と比べて使用5分後はATP値が有意に減少していました。 また、角質水分量はアルコール消毒剤と比べて精油のほうがやや高く保持される傾向が認められました。以上の結果から、アルコール消毒剤と比較して、植物油で希釈した精油では、洗浄作用は劣るが一定の作用があること、保湿作用に関しては優れていることが示唆されました。

論文  石田瑠美,高鳥眞理子(2020)手指のATPおよび角質水分量からみた精油の清浄・保湿作用に関する研究ー擦式手指消毒剤との比較からー.敦賀市立看護大学ジャーナル 5:10-19.