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健康|Health

精油が認知症高齢者の興奮行動に与える影響

超高齢社会において認知症に対する注目が集まっています。今回は、ラベンダー精油の芳香浴が認知症の高齢者の興奮行動に与える影響についての実験をご紹介します。

実験方法

対象 老人介護施設に入居中で、過去に興奮行動が見られた認知症の高齢者39人
精油 ラベンダー、メリッサ(レモンバーム)
対照 ひまわり油
方法 精油を2滴垂らしたシールを2週間毎日2時間、襟元に貼り続ける。
ラベンダー精油、メリッサ(レモンバーム)精油、ひまわり油を2週間ごとに実施
評価項目 CMAI(コーエンマンスフィールド焦燥評価票
Cohen-Mansfield Agitation Inventory)

一定期間内の具体的な行動障害の出現頻度を介護者が評価する。攻撃的行動、非攻撃的行動の2つのカテゴリーに分けて評価される。

実験結果

精油による興奮行動の変化(CMAIの非攻撃的行動)

ラベンダー精油をアロマシールで芳香した場合において、認知症を発症している高齢者にはメリッサ精油よりラベンダー精油のほうが興奮行動の一部を低減する傾向が示唆されました。

論文 Karen Watson, et al.(2019) A randomised controlled trial of Lavender (Lavandula Angustifolia) and Lemon Balm (Melissa Officinalis) essential oils for the treatment of agitated behaviour in older people with and without dementia. Complementary Therapies in Medicine 42 (2019) 366-373.