2014.9.18

犬の嗅覚が、
人間に教えてくれること。

プロフィール

株式会社 セント.シュガージャパン
がん探知犬育成センター

千葉県館山市犬石1895

世界で取り組みの進む、
がん探知犬の育成

「がん探知犬」をご存知ですか?盲導犬や介助犬など、犬の特性や能力が人間の大きな助けになっていることはよく知られています。
がん探知犬は、犬の優れた嗅覚を活かし、がん細胞の発するにおいをかぎ分け、がんの早期発見に役立てるよう訓練されている犬です。
その育成プロジェクトは、イギリス、アメリカをはじめ世界中で取り組まれています。今日は、こうした活動の先駆者であり、現在5頭のがん探知犬を千葉県南房総の温暖な気候で育成している、佐藤悠二さんの犬舎を訪れました。

人間の異変を「におい」で知らせる
犬の嗅覚

子どもの頃から犬が遊び相手だった、という佐藤さん。
犬の持つ潜在能力に早くから気づき、何か社会に役立てられないかと思っていました。
がんの治療では、「早期発見」がもっとも有効であるといわれています。そこで、犬の嗅覚を活用して、身体の微妙な変化や異変を「におい」で発見できないかと考え、まずはがん患者さんの呼気を集めて健康的な人のものと嗅ぎ分ける訓練を行うことから始めました。
佐藤さんがこの訓練を始めた頃(約12年前)は、「においでがんを発見する」というアプローチは非科学的なものとされ、医師や病院の協力はなかなか得られませんでした。それでも根気強く研究を続けるうち、「病気」と「におい」の密接な関係についての見解を示す医師が現れました。それが九州大学大学院消火器総合外科の園田英人助教授(当時)でした。

研究に訪れた転機

園田先生との出会いが、大きな転機になりました。
がんの発見に対する犬の嗅覚能力を科学的に立証することを第一段階のゴールとし、研究を進めました。園田先生から届く5つの呼気が入った袋を容器に並べ、犬はがんのにおいを探し当てます。佐藤さん自身もどれががん患者さんの呼気か知らされずに実験を繰り返し、約1年で98%の確率でがんのにおいを嗅ぎ分けられるようになりました。
2011年、イギリスの医学雑誌『GUT』に佐藤さんたちの研究が論文発表され、日本でもマスコミを通じてがん探知犬の認知が広がりました。海外から訓練の見学に訪れる人もいました。

犬の嗅覚を活用したセンサーの開発、
そして……

犬の嗅覚ががんの発見に有効である、ということが科学的に立証され、研究は大きな成功を収めましたが、佐藤さん達の目指すところはもっと先にあります。現在は、犬が嗅ぎ分けているがんのにおい物質は“何か”の特定に取り組んでいます。このにおい物質の正体が分かれば、それに反応するセンサーを開発し、センサーに息を吹きかけるだけでがん判定ができるようになる、と佐藤さんは考えます。今はがんk検診というと、痛い思いをしたり、検査の予約から結果が出るまでに時間がかかったり、気軽に受信できるイメージはありません。
センサーの開発で簡単にがん検診が受けられるようになれば検診率が上がり、がんの早期発見につながるでしょう。また、ゆくゆくは携帯番号などに判定チップを埋め込んで、通話中の呼気からセルフチェックできるようなことも考えられる、と佐藤さんは話します。「ただし、僕が生きてるうちには無理だろうけどね(笑)」

※記事はすべて取材当時の情報です。

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