子どもの頃喘息を患っていて、よく病院のお世話になっていました。そこで優しくしていただいたり、とても安心できた記憶があり、医者になりたいという気持ちが芽生えました。人と関わり、コミュニケーションを通して人を助ける仕事が出来ないかと考えて心療内科を目指しました。クリニックを開業して5年ほどになりますが、患者さんの数は年々増えています。心療内科は、ストレスなどが原因で身体に症状が現れてしまう方のための病院です。お腹の調子が悪かったり、喉に違和感があったりして内科や耳鼻科で診てもらってもどこも悪いところが見つからなくて、でもご本人としてはとてもつらい。そこでストレスが原因かも、ということで心療内科を訪れる方が多いです。

以前勤務医をしていた頃、仕事で疲れるとリフレクソロジーのサロンに通っていて、そこでアロマテラピーを知りました。初めは自分のためと思っていましたが、患者さんを診るにあたって、病気ではないけれど何らかの症状を抱えている方に、薬ではないセルフコントロールの一環としてアロマテラピーは有効なのではと感じるようになりました。病院では基本的に保険医療の中で出来ることで対処しますので、保険外のアロマテラピーを取り入れることは、病院側のコンプライアンスの問題もあり難しいのが現状です。でも、自分のクリニックを立ち上げるときには「病気じゃないから薬が出せない、何も出来ない」ということではなく、もっといろいろなアプローチが必要だと思っていましたので、その頃から本格的に勉強して、アロマテラピーの資格取得を目指しました。

このクリニックも保険医療機関なので、アロマテラピーを全面的にご紹介する訳ではないのですが、患者さんの関心は私が思っていたよりも高いです。いきなり薬ではなく、自分で出来ることから始めたいという意識の高い方や、普段はアロマテラピーはやらないけれど薬を飲むくらいならやってみたい、という方もいます。代替療法はいろいろなものが考えられますが、その中でもアロマテラピーは実証研究も進んでおり、かなり信憑性が高いと思います。ストレス社会といわれる現代では病態も多様化してきて、今の医学の中だけでは治療に限界があるんです。心的ストレスが原因の病気はそもそも完治するという性質のものではない場合が多いので、その原因とどう折り合いをつけるかという意味において、アロマテラピーのポテンシャルはとても高いと思いますね。

科学技術の発達で世の中はとても便利になったし、何をするにも速くなりましたが、人間の心はそんなに簡単に切り替えられないのが普通です。パソコンのようにシャットダウンしたからOKという訳にはいきません。先ほども申し上げた、治療法についても多様化していかなければならないという話は医療業界でも挙がっています。医師同士ではどうしても薬の話がメインになりがちなので、看護師さんや介護福祉士さんなど現場に関わっている方々や、アロマテラピー業界の方々とも積極的に関わっていきたいですし、私自身外に出て知識を得たり、広めたりという活動を通して、職種や業界の垣根を超えて話し合っていけるよう努めたいと思っています。


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