アロマテラピー検定 公式テキスト2級
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45圧搾法/圧力をかけて芳香成分を搾りとる この方法は、ほとんどが柑橘類の果皮から精油を得るときに使用されます。昔は手で果皮を圧搾して、スポンジに吸わせ、回収していました。現在では機械のローラーで圧搾し遠心法で分離して、低温で精油を得ています。低温で圧搾すると、熱によって精油成分がほとんど変化しないので自然のままの香りが得られます。圧搾法で製造された精油は原料植物の搾りカスなどの不純物が混入することがあり、また変化しやすい成分が多く含まれるのでほかの方法で製造された精油に比べ、 精油自体の変化(劣化)が早いことに注意しなければなりません。油脂吸着法/油脂に芳香成分を吸わせる これは花などの芳香成分を得るために古くから行われていた方法です。 油脂が芳香成分を吸着する性質を利用したもので、精製して無臭にした牛脂(ヘット)や豚脂(ラード)の混合物、オリーブ油などを用います。常温で固形の油脂の上に花などを並べる冷浸法(アンフルラージュ)と、60〜70℃に加熱した油脂に花などを浸す温浸法(マセレーション) があります。この方法で、芳香成分を高濃度に吸着し、飽和状態になった油脂を「ポマード」といいます。次にエチルアルコールを使用して芳香成分を溶かし出し、エチルアルコールを除いて最終的に得られたものを「アブソリュート」と呼んでいます。 ローズやジャスミンなどの繊細な花の香りを得るには適した方法ですが、たいへんな手間がかかるため、現在ではほとんど行われていません。●水蒸気蒸留法第 4 章 精油(エッセンシャルオイル)の基礎知識

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