アロマテラピー検定 公式テキスト2級
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44何のために分泌しているのでしょう①植物は芳香物質により昆虫や鳥をひき寄せ、受粉をしたり、種子を遠くへ運んでもらいます(誘引効果といいます)。②その逆に、植物は芳香物質によって虫や鳥を遠ざけ、摂食されることを防いでいます(忌避効果といいます)。さらに、芳香物質にはカビや有害な菌が植物に発生するのを防ぐ効果もあります(抗真菌効果・抗菌効果といいます)。③ほかの植物との生存競争に勝つため、その種子の発芽や生長を止めたり抑えたりする効果があるともいわれています。④汗のように芳香物質をよく蒸発させて、自分を冷却し、強い太陽の熱から身を守る働きもあるといわれています。⑤植物内での情報伝達物質として、ホルモンのような働きをしているといわれています。⑥植物内で不要になった老廃物質であるといわれています。 各種の植物から精油を製造する方法は、その精油の成分の特徴、水に溶けやすいか、熱による変性が少ないか(温度が高いと分解してしまう成分もある)などの条件により、いくつかの違った製造法が選ばれます。水蒸気蒸留法/水蒸気で蒸して芳香成分を得る 原料の植物を蒸留釜に入れ、蒸気を吹き込んだり、釜に入っている水を沸騰させたりして、その水蒸気で植物の芳香成分を気化させます。この芳香成分を含んだ水蒸気は、次に冷却管を通って冷やされるうちに液化し、水と油の二層に分かれます。ここで上に浮いた油(芳香成分)を、水と分離して得たものが精油です。 この方法は比較的簡便なこともあり、多くの精油がこの方法で製造されます。しかし、植物によっては熱と水にさらされることで、本来の香りや成分が失われるため、この方法に適さないものもあります。なお、製造の際にできる水の中には水溶性(水に溶けやすい性質)の芳香成分が溶け込んでいます。この「水」を「芳香蒸留水(フローラルウォーター)」といい、ローズウォーター、オレンジフラワーウォーター、ラベンダーウォーターなどとして利用されます。精油製造法第 4 章 精油(エッセンシャルオイル)の基礎知識

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