仕事のストレスで心身ともに疲れていたときアロマテラピーを知り、たまたま会社の近くにあったスクールに通ったのですが、そこでの学びが私の生き方に大きな影響を与えてくれました。香りに癒される、ということ以上に、植物は私たちにいろいろなことを教えてくれているのだと胸を突かれる思いでした。朝から晩まで都会のオフィスで働いているうちに、“ギブ・アンド・テイク”のテイクばかりを追い求めてしまい、精神的な余裕や人間関係のバランスを失っていたことに気付いたのです。アロマテラピーアドバイザーを取得してからはボランティアにも関わるようになり、少しずつ、「自分の小さな力でも誰かの役に立つことができる」ということや、そのよろこびはとても大きいということを知ったのです。

生まれも育ちも東京でしたが、夫の転勤を機に徳島、奈良と自然の豊かな土地へ移り、「植物の力に生かされている」ことを肌で感じ、ますますアロマテラピーにひかれていきました。奈良では広告制作の仕事に就く傍らアロマセラピストの勉強を続け、資格を取得してからは、病院の紹介で在宅介護の患者さんにトリートメントをすることに。月1回、吉野の山まで通いました。そこでは、トリートメントを重ねるごとに患者さんの心に触れているような感覚になり、驚きとともに、アロマテラピーがもたらすものの大きさを実感し、ますます謙虚に向き合わなければと思いました。在宅でのボランティアは家族の方と力を合わせて患者さんを支えますので、家族の方とも自然と距離が近くなります。それまで何の接点もなかった方々と、こんなにも強い絆が結べるのだと、自分のなかに芯ができたように感じました。

そのあと引っ越した福岡で、九州大学病院小児医療センターで活動することを承認されているボランティア団体「ゆめりんご」と出合いました。付き添いの家族にくつろぎの場を提供したり、入院中の子どもたちとレクリエーションを行うボランティア団体ですが、アロマテラピーは行っていませんでした。そこでこれまでの経験や精油の作用などを資料にし、代表の方と一緒に病院側に働きかけた結果、患者さんなどへの配慮から“香りを使わない”ハンドトリートメントということでボランティアの許可が下りました。「アロマテラピーで香りが使えないなんて」と最初は困惑しましたが、実際はキャリアオイルだけのトリートメントでもとてもよろこばれて。消毒液で荒れた手や、一晩中子どもに添い寝して硬直したお母さんたちの手を握ると、身体の声が聞こえてきます。医師から難しいことを言われながら子どもの病気と向き合い、それでも疲れた顔は見せずに頑張って……。トリートメントをしながら、お母さんの笑顔が子どもにとっての一番の治療薬なんじゃないかと思うようになり、いまはお母さんたちを通じて入院中の子どもたちの未来も支えたいという気持ちでやっています。

アロマテラピースクールを開設してからは、仕事に活かしたり、事業を始めるためにアロマテラピー資格を取得したいという方に多く受講いただいています。資格はボランティアをする上でも個人の信用をつくる大事なものです。私が「ゆめりんご」でボランティアができているのも、やはり「有資格者」という信用があるからですし、その上で自分にできることをアピールしたり、周りの方とコミュニケーションを取りながらやりたいことを実現しています。仕事でも、ボランティアでも、まずは自分でやるべきことを考えて、与えられた環境でできることを探していくという点は変わらないと思っています。ただ、私はボランティアを通して「お金」という対価では計れないほどの貴重な体験をしましたし、そこに集う人々との心の交流は何ものにも代えがたいものとなって、現在の私を支えています。

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AEAJ 公益社団法人 日本アロマ環境協会

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