2017.10.4

身の回りにある香りで
人を、社会を変えていく。

プロフィール

角田武史さん

東京

  • エステー株式会社 海外事業部 事業部長
  • アロマテラピーアドバイザー

33歳の時にアロマテラピー検定1級およびアロマテラピーアドバイザー取得。家庭用の消臭剤などを扱うマーケティング担当となったのを機に精油の知識を基礎から学び直し、新商品開発に役立てたり、海外マーケットへ向けた的確な香りのアプローチを選択する上でもアロマの知識を役立てている。

社会の空気までかえて、
人々を元気にしたい

エステーは、創業当初から防虫、消臭・芳香、除湿といった“空気の課題を解決する”ビジネスを展開してきました。2005年にコーポレートスローガンを「空気をかえよう」とし、事業範囲を従来のお客さまの家庭環境から、社会の空気やお客さまの気持ちというところまで広げ、「日本全体の空気をかえて、元気にしたい」という志を掲げています。近年は既存の商品と並行し、人の心や身体が喜ぶもの、お客さまの期待から“半歩先”にあるような新しいビジネスを考える取り組みも行っています。ストレス社会や高齢化社会といったキーワードを毎日のように目にする中で、「いま社会に求められているものは何か」という視点で検討を重ねた結果、アロマテラピーに関する調査で得た使用意向や価値観が、時代の求める空気感とぴたりと合ったんです。そこからアロマを軸とした製品開発を考え始めました。

個人でできる手軽な健康管理の
アイテム需要を見込んで

職場のストレスチェックも義務化され健康管理体制は整ってきていますが、忙しい生活の中で、知らず知らずにストレスを溜め、不調を感じている方も多くいらっしゃいます。このような現代社会では、個人で出来る手軽な健康管理・メンタルケアのアイテムがより求められるのではないかという仮説から、機能性アロマの開発に目を向けました。“香り”そのものだけではなく、植物の香りが持つ心身への“機能”に着目し、「100%の精油で何ができるか」という発想で製品開発をはじめたところ、「ストレスケア」「脳を鍛える」というコンセプトにたどり着きました。これらの商品化が見えてきた2017年、会社としても新たな挑戦となるヘルスケア分野への参入を決めたのです。

香りという小さな投資がもたらす
大きなインパクト

私自身が香りに興味を持ったきっかけは、学生時代に一人暮らしを始めたことです。日々の生活に変化をつけたいとき、玄関の芳香剤を変えただけでその空間がまったく違うものに感じられ、香りという小さな投資がもたらす大きなインパクトに気づきました。そこから香りにのめり込み、今の仕事につながりました。営業職を経て消臭芳香剤のマーケティングを担当するようになったのを機に、精油についても基礎からしっかりと学びたいと思い、アロマテラピー検定を受験。資格を得て実感したのは、香りを嗅ぎ分ける力や、イメージしている香りの特徴をつかみ、具体的に表現する力が身に付いたことです。たとえば、以前はパフューマーさんから「ラベンダーの土臭さ」について言われてもピンとこなかったのですが、そうした感覚を理解できるようになりました。商品開発現場とアイデアを共有する上でも、「この製品の香りはもっとこうしたい」ということを説得力を持って伝えられるようになり、さまざまな課題をクリアする上で非常に役立ちました。

その時、その人が必要とする
香りを提供できたら

現在は海外事業部に籍を置いていますが、海外マーケットに既存の消臭芳香剤を展開していく上でも香りの特徴をつかむ力は役立っています。海外で好まれる香りをつくる場合、日本とは違ったアプローチが求められますので、同じ花の香りでも微妙にアレンジを加えます。複数の香りのサンプルから適切な香りを選択する上で、嗅覚のトレーニングは今後も必要だと思っています。身の回りにある香りは、意識している以上に人に影響を与えるものだと思っているので、シチュエーションや目的に応じて、その人が必要とする香り、喜んでもらえるものを適切なタイミングでお勧めできたら、と日々考えながら仕事をしています。

※記事はすべて取材当時の情報です。

プロフィール

角田武史さん

東京

  • エステー株式会社 海外事業部 事業部長
  • アロマテラピーアドバイザー

33歳の時にアロマテラピー検定1級およびアロマテラピーアドバイザー取得。家庭用の消臭剤などを扱うマーケティング担当となったのを機に精油の知識を基礎から学び直し、新商品開発に役立てたり、海外マーケットへ向けた的確な香りのアプローチを選択する上でもアロマの知識を役立てている。

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