もともとは建築事務所で都市デザインの仕事をしていましたが、父の介護をきっかけに仕事を辞め、父に何か気持ちのよいことをしてあげたいと思っていろいろと考えている中で、アロマテラピーに出合いました。その時は仕事にしようと思ったわけではなくて、ただ父の喜ぶ顔がうれしくて。 建築をやっていた時も、漠然と誰かを幸せにする仕事がしたいというのがありましたが、アロマテラピーを勉強するうちに、そうした私の根本にある想いと、アロマテラピーの社会における存在意義(=人を幸せにする)が重なって感じられました。香りの世界に触れる中で自分自身も豊かになれましたし、植物や健康のことを考えることが私にとてもフィットしたんです。
教える立場になって、分かりやすく教えることの難しさに気づきました。また、テキストにアロマテラピーの安全性や注意を促す文章が出てくると、皆そちらに気を取られてしまって、肝心の楽しむことを忘れてしまうんです。
私は、「学校に来たからアロマテラピーをやる」のではなくて、学校をきっかけとして日常生活でアロマを活用して欲しいので、安全性や注意事項も大切ですが、こうしなければダメとか、これがないと出来ない、という伝え方は極力避けるように心がけています。
精油は薬ではないけれど、心身に直接作用するものなので、いい加減に教えられるものではないということは常に頭に置いています。精油のことだけでなく、最新の化学についてなども知っておく必要があり、知識のアップデートも大変ですが、無理に「覚えなくては」と思う前に、一番伝えたい人にどうやったら伝わるかな、と考えるようにしています。アロマテラピーと生活の接点を考えながら日々過ごしていると、自然と教えたいことがたくさん出てきて、自分自身も楽しみながら覚えたことを教えられるように、心がけています。