学生時代に日本画を学び、将来はデザイナーか美術関係の仕事に就きたいとぼんやり考えていました。日本画は、珊瑚や水晶を砕いたり、自然の素材から色をもらって顔料にするのですが、その独特の色彩が大好きで。たくさんの絵の具に囲まれて絵ばかり描いていた私が、こうして長い間モデルを続けているなんて、人生は本当に分からないものです。ファッションやメイクにも当初はあまり興味がなかったのですが、活気のある現場や、皆で協力してひとつのものを作り上げていく過程はとても刺激的でした。初めは緊張で胃がキリキリすることもありましたが、出産してからかな、意識の矛先が「自分」から「自分以外」に向くようになり、視野が広がってからはいろんな事が楽になりました。今は、周囲の人に助けられて仕事を続けてこられたことに感謝しながら、次の5年、10年をさらに充実させていきたいと思っています。

若い頃、食事はほとんど外食でコンビニがお友達でした(笑)。身体を気遣う余裕もなく、30歳手前で老化を感じたときは、「ビューティモデルは20代で終わりなのかな」と半ば諦めかけて。それが、子どもが出来て食生活をガラッと変えたら、肌が驚くほど変わったんです。食事をすべて手作りにして、電子レンジも使うのをやめたら、肌のくすみが取れて撮影の仕上がりにも透明感が出て。食材や調理法を変えるだけで、こんなに簡単に変われるんだと実感しました。思い返してみると、昔ニキビで悩んでいたとき、母がよくドクダミを煮出して化粧水を作ってくれました。身体の調子が悪いときは、卵酒やボーンブロスを飲ませてくれたり。外科医だった父は、すぐに薬や抗生剤を使おうとするのですが、母はまず冷蔵庫にあるものを見て「食べ物で治す」というアプローチでした。どちらの考えも尊重していましたが、自分が母親になってからは、母の気持ちに寄り添うようになって……今では我が家も「冷蔵庫が救急箱」になっています。

プロのモデルとして、肌や身体のメンテナンスは大事な仕事のひとつです。朝と晩に必ず、アロマバスに入ります。1日中家にいるときはラベンダーの香りでリラックスしたり、外出するときは気持ちをアップするためにペパーミントの香りにしたり。ホルモンバランスの調子が悪いときはイランイラン、デートのときはローズなど、その日の体調や予定に合わせて香りを楽しんでいます。仕事でストレスを溜めることはほとんどないのですが、良い仕事をした後などは家に着いてもまだ興奮が冷めないときがあって、子どもたちの顔を見てもなかなかスイッチが切り替わりません。そんなときも、アロマバスで全身をゆるめます。良い撮影、良い作品が出来上がって皆さんに喜んでもらえたあとのバスタイムは、本当に幸せな時間なんです。

これまでは、子どもの応急処置やビューティケアのためのアロマテラピーがメインでしたが、これからは、心地よく年を重ねていくためのアロマの使い方を学びたいと思っています。身体の変化により敏感になって、いずれ迎える更年期も穏やかに乗り越えられたら。変化を止めるのではなく、受け入れて、対処していくための方法を探していきたいですね。ケミカルなものに慣れてしまうと、身体の“声”が聞こえなくなり、感覚も鈍ってしまうので、ナチュラルなもので解決するのが結局は近道なんだなと思います。30代、アロマテラピーは心と身体を解放してくれました。これから迎える50代には、さまざまな変化を受け入れると同時に、足元を固めてくれる、自分を守ってくれる香りが必要だなと感じています。そんな気持ちでアロマの世界と向き合うと、また新しい香りに出合ったりして、アロマの本当の力を知るのはこれからなんじゃないかな、と少しワクワクしています。

AEAJ 公益社団法人 日本アロマ環境協会

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