科学が実証 ペパーミントのクールダウン効果

体感温度を4℃下げる

ミントの香りを嗅ぐだけで、体はひんやり涼しさを感じます。香りを嗅がない状態で水温28℃の水に手を入れて感じる体感温度と、ペパーミントの香りを嗅いだ状態で水温32℃の水に手を入れて感じる体感温度が同レベルであり、ペパーミントの香りを嗅ぐことで4℃も体感温度が下がるという実験結果が出ています。

(出典:「香りが感覚/使用感触の判断に及ぼす効果」
(株)資生堂製品開発センター香料開発室 庄司 健 ※発表当時)
フレグランスジャーナル社 AROMA RESEARCH No.23(2005)

弱冷房時の不快感を軽減

ミント系の香りは、不快感も軽減します。空調温度28℃のオフィスで、ペパーミントなどをブレンドした香りを漂わせた場合と、そうでない場合で仕事をする人にアンケートをとった結果、「不快感を感じた人」の割合は、アロマを使わなかった日が<11%>だったのに対し、ミント系の香りを漂わせた日にはその割合はわずか<4%>に軽減しました。

(出典:「建築空間と香り―持続可能な社会を目指して
〜天然成分のアロマを活用した執務環境の快適性に関する研究〜」
東京大学生産技術研究所 馬郡文平 ※発表当時)
フレグランスジャーナル社 AROMA RESEARCH No.45(2011)

夏を快適に過ごすためのペパーミント活用法―ペパーミントを活用したクールダウンの工夫を紹介します。この夏、ミントで暑さをやわらげてみませんか。

1

熱帯夜には、ペパーミントのルームフレッシュナー(室内用スプレー)

ペパーミント精油入りのスプレーをつくり、暑さが気になる時には室内にひと吹きしましょう。ペパーミントの香りが体感温度をぐっと下げてくれます。長時間にわたり効果を持続させたい場合は、アロマディフューザーを使用するとよいでしょう。

<スプレーの作り方>
精油を無水エタノールで溶かしてから、精製水を加えて混ぜ、希釈します。スプレー容器に移し、使用する際はよく振ってからスプレーします。

<材料>

無水エタノール

5ml

精製水

45ml

ビーカー

1つ

スプレー容器(遮光ガラス)

1本

ペパーミント精油

5滴

※人に向かってスプレーをしないようにしましょう。※家具や布類はシミになる可能性があるので避けましょう。※冷暗所に保管し、2週間を目安に使い切りましょう。

2

ペパーミントの香りがそよぐ扇風機

クーラーを止めて扇風機にすると電力消費を50%も減らすことができます。このとき、扇風機の前面ガードにリボンを結びペパーミント精油を染み込ませれば、爽やかな香りが室内に広がり、暑さをやわらげます。エコな取り組みを、応援するひと工夫です。

<ミント扇風機の演出>
リボンや布を適当な長さにカットし、扇風機の前面ガードに結び付けます。リボンの先端にペパーミント精油を染み込ませます。

<材料>

リボンまたは布

10cm〜15cm

ペパーミント精油

1〜2滴

※扇風機にリボンが絡まないように注意しましょう。

3

ペパーミントの冷湿布で、暑さ対策

暑さが体にこたえそうな時には、体温が上昇しすぎないように、首筋に冷湿布をするとよいといわれます。 湿布の水にペパーミントを加えれば、さらに体感温度を下げてくれるので効果が増します。

<冷湿布の仕方>
洗面器などに水をはり、ペパーミント精油を1滴入れて混ぜ、タオルや布を浸します。水を絞り首筋にあてます。

<材料>

冷水

タオルが浸る程度

ペパーミント精油

1滴

※湿布が皮膚に一定時間、密着しますから、皮膚の精油に対する反応や、湿布する時間の長さに注意しましょう。また、目の周りや皮膚の弱いところでの使用は控えましょう。
※熱中症の予防のためには適切な水分摂取と、温度管理が大切です。冷房の節約は体に負担のない範囲で行いましょう。

4

ハンカチに垂らして通勤電車を快適に

弱冷房の満員電車がつらく感じる時には、ハンカチやティッシュにペパーミント精油を垂らして、さりげなく香りを嗅ぎましょう。不快感を軽減し、暑さをやわらげてくれます。

<材料>

ハンカチ

適宜

ペパーミント精油

1滴

※精油が皮膚に付かないように気をつけましょう。
※ハンカチは、精油がしみになる場合がありますので
ご注意ください。

精油の原液を直接皮膚に塗らないようにしましょう。

誤って精油の原液が皮膚に直接ついた時は、大量の水で洗い流しましょう。

精油は飲用しないでください。

精油が目に入らないように注意しましょう。

精油は子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。

アロマの活用法について、もっと詳しく知りたい方はこちら http://www.aromakankyo.or.jp/basics/