東日本大震災の後数カ月くらい経った頃、知人から、この仮設(箱塚桜仮設住宅)の集会所で何か気晴らしになるようなイベントができないかというお話をいただいたんです。その時は、困っている人がいたら何か出来ることはないかと考えずにはいられない状況で、「私でよければ」とすぐにお受けしました。以来、定期的にハンドトリートメントをさせていただいています。それまでは、家族や親しい友人のためにアロマテラピーの知識や経験を使っていただけでしたが、改めて「アロマテラピーを通して、自分にも誰かの役に立てることがある」ということを実感しました。

今年も間もなく3月11日を迎えますが、当時を振り返る余裕といったものはまだ全然ありません。この仮設住宅で暮らす方々全員が、自分の家や帰れる場所を見つけられるまで、私の中では何も変わらないんだと思います。それまでの間、たとえ10分でも15分でもここに来て、アロマテラピーで笑顔になってもらえたら、という思いでいます。肌に触れてトリートメントしていると、相手の方の緊張が徐々にほぐれていくのを感じます。初対面の方でも自然と心を開いて、ご自分のことやご家族のこと、いろいろなお話をしてくれるんですよ。

アロマテラピーを「知りたい」という一心で学んできましたが、自己紹介の時に「アロマテラピーをやっています」とつけ加えると、興味を持ってもらえることが多いです。そこできちんとした資格を持っていることも伝えると、安心してもらえるからでしょうか、ママ友の集まりや幼稚園のイベントによく声を掛けられるようになりました。精油を使って虫よけスプレーを作ったり、風邪の予防にもなるという話をしたりすると、すごく喜ばれます。次はこっちの幼稚園でもやってくださいとか、人の輪が広がって。特に「ボランティアをやっている」という意識はないんですけど、「アロマってすごい!」と驚かれたり、笑顔になってもらえるのがうれしいです。

「てんしのわ」※の活動に参加させていただいているのも、娘の幼稚園でのつながりなんです。 “人の縁”でこうした活動ができていることに感謝しています。周りの方々へ恩返しする意味でも目の前のことをひとつひとつ丁寧にやろう、といつも心掛けています。震災の後、「私たちにも何かできるかも」と仙台のアロマテラピー資格を持つ人たちがつながって、仲間が増えたんですね。ひとりでは何もできないけれど、集まるといろいろな企画が生まれて「今度この施設でこんなことやるから協力して」みたいな話がすぐに広がるようになりました。本当に人の縁ってすごいなと思ったし、これからも大切にしていこうと思っています。

※「てんしのわ」…宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区で東日本大震災の被災者支援を行うボランティア団体

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AEAJ 公益社団法人 日本アロマ環境協会

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