昔から、歌うことが好きでした。10代のときに歌手デビューし、その後テレビや映画で女優業をやりながらCDも出していましたが、舞台に出始めたら、その魅力にはまってしまって。一番先に舞台のスケジュールが決まるので積極的に受けていたら、いつの間にか舞台の仕事が増えていました。舞台は、本当に一期一会。その時、その場所で出会えた共演者やお客さんとの化学反応が、お芝居を毎回違うものに変えていきます。そうやって役者と客席が一体になってつくり上げる感動は、何ものにも代え難いです。その興奮と感動が心に残っているから、どんなに苦しくても辛くても、「また舞台に立ちたい」って思うんですよね。私の場合、そんな大好きな舞台を支えてくれるのが、アロマテラピーなんです。

舞台は肉体的にも精神的にも、本当にハードなんです。先日千秋楽を迎えた『ビューティフル』※では、シンシア・ワイルという実在の人物を演じたのですが、本番前は役になりきるために極限まで集中力を高め、彼女のイメージを全身に取り込みます。そうした時に役立つのが、ローズマリーの精油なんです。スッと気持ちが研ぎ澄まされるような香りで、私の中の“役者のスイッチ”が入るんですね。幕間で少し休憩するときや、舞台を降りて役を離れるときなどは、ふんわりと甘いクラリセージの香りで気持ちを緩めます。
舞台は、毎日が本番の真剣勝負。毎回最高のパフォーマンスを出すために、どんな心理状態であっても、本番までには気持ちをニュートラルにして、そこから集中とリセットを繰り返します。香りによって意識の切り替えが出来ると実感してからは、私の役者人生にアロマテラピーは不可欠だなと確信して、きちんと勉強したいと思いアロマテラピー検定を受験しました。

※『ビューティフル』…シンガーソングライター、キャロル・キングの半生を描いたミュージカル。ソニンさんはキャロルのライバルであり親友でもあるシンシア・ワイル役を務めた。

アロマは、キャラクターを演じ分ける上でも役立っています。女性的な役づくりにはイランイランやローズの香りをまとい、元気な役を演じるときにはレモングラスを嗅いで身体の内側から元気が出るようにします。そしてもちろん、普段の体調管理やストレス緩和にもアロマを活用しています。子どもの頃、山や海の近くで育ったからでしょうか、自然の香りの中に身を置くのがとても心地いいんですよね。だから、身体に負担をかけずに不調やストレスを追いやってくれるものとしてアロマテラピーに惹かれたのは、私にとって必然だったのかもしれません。普段のスキンケアも、自分で手作りしたローズオットーの化粧水やフェイスオイルが定番です。シンプルですが、肌トラブルもなくなりましたし、余計なものをつけないからか「ソニンはいつもいい匂いがする」って言われるんですよ。

舞台のために、心身を整える方法として始めたアロマの勉強でしたが、アロマテラピー検定を取得して知識が身についてからは、人にすすめたり健康に関するアドバイスもできるようになりました。「ちょっと体調悪いんだ」という芝居仲間に精油を嗅いでもらって、「いい香りだね」となったら、「香りだけじゃないんだよ」と教えてあげることもできます。人の役に立てれば私もうれしいし、コミュニケーションが広がることで人間関係もよりよいものになっているんじゃないかな。そして何よりも、私自身が穏やかでいることで、周囲の人もリラックスできたら。誰だって、いつもキリキリと怒っている人よりも、表情も気持ちも明るく前向きな人と一緒にいたいですよね。私もアロマテラピーで、「一緒にいると楽しい」と思われるような人になりたいな、と思っています。

AEAJ 公益社団法人 日本アロマ環境協会

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